2018年4月アーカイブ - MISONO’s NEWS|聖園女学院中学校・高等学校

聖園だより

校長の声『"The pen is mightier than the sword"』

 人類の長い歴史を振り返ってみれば、武器と文具の力比べは「ペンは剣よりも強し」という、単なる希望的観測ではないと言えるであろう。何故かというと、人間の本当の強みは競争相手を腕力で押さえることではなく、真理を見極める理性で愛の輪を広げることにあるからである。剣の暴力に勝つペンの秘訣は恐れず真理を伝えるところにあるが、この真理の力の内密は何であろうか。聖書からの二つの言葉は参考になると思う。先ず旧約聖書の言葉。

 「口には神をあがめる歌があり/手には両刃の剣を持つ。」(詩篇149編6節)

 賛美歌を歌いながら、人を傷つけることは、いかがなものかという印象を受けるかもしれないが、「詩編」は(表現を少し変えながら)同じ事を2回並べた形で書かれた文学作品である。"祈りこそ我々人間を守る神の力となる"という意味であろう。この力をもう少し詳しく説明しているのは新約聖書からの次の箇所である。

 「神の言葉は生きており、力を発揮し、どんな両刃の剣よりも鋭く、精神と霊、関節と骨髄とを切り離すほどに刺し通して、心の思いや考えを見分けることができるからです。」(ヘブライ人への手紙4章12節)

 換言すれば、神の言葉は両刃の剣であって、自分の都合がいい目的に使える武器ではない。

 昨年は宗教改革の500周年記念の年であったが、妹は宗教改革者ルーテルの面白い小立像を贈ってくれた。聖書の立派なドイツ語翻訳を成し遂げたルーテルのペンこそ「剣よりも強し」だと思って校長室に飾ってある。その直ぐ隣にバチカンのスイス衛兵の小立像が置いてある。ルーテルのペンはバチカンの矛(ほこ)よりも強かったかもしれないが、今二人は仲良く並んで、人の心を動かす神の力を表していると私は思う。

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ポカポカ 春!

◎お日様の光がここち良く感じる季節になりました。色鮮やかな お花も暖かそうです。

*「つつじ」の咲き始めました。

IMG_0617.jpg*テニスコート横の「フジ」この後白いフジが咲きます。

IMG_3608.jpg*「アメリカハナミズキ」マリアホール前、高校棟前

IMG_3590.jpgIMG_3619.jpg*ルルドのお庭「シャクナゲ」も咲き始めました。

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 暖かさに誘われて花が咲き始めました。

◎高校棟正門側の「シャガ」

IMG_0560.jpgIMG_0522.jpg◎ソメイヨシノに続き「ヤエザクラ」

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校長の声『新入生への励ましの言葉』

 新しく聖園女学院に入学した中学校一年生、保護者の皆様を心から歓迎します。今日から6年間の聖園での長い学校生活に入る皆さんに励ましの言葉を贈ります。

 新しいことに手を付ける時に、必ず色々なチャレンジがあります。予想も出来なかった難しい課題も見えてきます。

 しかし、チャレンジ・課題だと言っても、皆さんが持っている力で対応できるもの & 皆さんの成長に貢献するものがあります。

  例えば、藤沢本町からの長い坂道は、足が丈夫になります。

  聖園の新しい制服は、自分の個性を表面的な服装ではなく、自分の言葉と行いで表すものです。

  「宗教」という少し変わった教科は、自分が何を信じて生きているかを考えさせる授業です。

  お祈りで始まる毎日は、自分が何に向けて先に進んでいるのかを考える時間にしてください。

 実は、この毎日の祈りの時間は皆さんを支える力になると確信しています。かかってくるチャレンジを正しく理解し、受け容れることを手伝う静かな黙想の時間が役に立ちます。

 もう一つ、皆さんの助けとなるのは友達作りです。聖園のチャレンジに直面して困っているのはあなただけではありません。隣に座っている友達と分かち合ってみてください。

 キリスト教的な言葉に代えると、『神はあなたを必ず見守って、あなたを一人にはしない。』

 最後に、一つの課題としてJosef Reiners(聖心の布教姉妹会・南山学園の創立者・神言会司祭)の言葉を紹介します。

 「一人の存在は必ず一つの貴い使命・ミッションを持っている。」これはMission Schoolである聖園の理念と目標を表す言葉です。聖園が目指している目標は自己理解:自分の使命・ミッションを自分で見つけることです。

 それに関連して、保護者の皆様にお願いがあります。聖園の使命は学校だけでは実現できません。お嬢様が自分のミッションを見つけて成長するためには保護者の皆様と学校との協力体制が不可欠です。

 これで私の「励ましの言葉」は終わりますが、今後、学校・保護者・生徒が手を組んで、互いを励まし合うことができるように祈っています。

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