校長メッセージ

聖園女学院でよく耳にする言葉があります。
「あなたはありのままでいい。」

一人ひとりを大切にする先生の心遣いが感じられる、励ましの言葉ですが、「じゃ、何もしなくていい」という、自己満足を黙認する言葉ではありません。むしろ、ありのままの自分は"Only One"、他の人が持っていない力の持ち主だ、ということに気づかせようとする言葉です。

「みんなちがって、みんないい。」(金子みすゞ、『私と小鳥と鈴と』。)聖園女学院で一緒に勉強している人は競争相手ではありません。むしろ、それぞれが持っている違う力を組み合わせて、一人で達成できない大きなプロジェクトに取り組むために一緒に踏み出す友達です。

聖園女学院中学校・高等学校 校長 ミカエル・カルマノ

自分の力を信じて、そして友達が持っている力を認め合って、思い切って踏み出してみることは聖園女学院の生徒の共通の課題です。多くの友達と、いつも見守ってくださる神と一緒に聖園の旅路を歩み続けている間に生徒一人ひとりが、今まで想像も出来なかった自分、そして友達と一緒に創り上げる新しい世界を発見できる場を整えるのは聖園女学院のミッションです。

言うまでもなく、我々人間を守ってくださる神と一緒に歩く時にはそれなりの心構えが必要です。詩編119編54節の言葉はこの心構えのイメージになっている気がします。

「あなたのおきては、私の旅の家では、私の歌となりました。」

6年間勉学に励んでいる生徒にとって聖園は目的地ではなく、文字通りの「旅の家」となっています。だからこそ毎日の学校生活のポイントは校風の(多少厳しい)掟とルールに従って学業に励むだけではありません。むしろ、生徒一人一人が聖園で学んだ「共にいてくださる神の愛」の教えを、自分の想像力を生かして、自分にしかできない歌に仕上げて、世界に伝えることこそカトリック教育の精神を理解した証となるのです。

聖園女学院中学校高等学校の一貫教育の特徴と目標はカトリック教育機関である南山学園の寄付行為がはっきりと謳えています。

「この法人は、キリスト教世界観に基づき、教育基本法および学校教育法に従い、学校教育を行ない、人間の尊厳を尊重かつ推進する人材の育成を目的とする。」(第3条)

「キリスト教世界観」と「人間の尊厳」は、キリスト教の聖典である聖書の知恵の言葉と共に、聖園女学院が創立以来目指してきた教育理念の真髄を表しています。入学してくる生徒が安心して落ち着いた心で自分の道を進め、やがて社会のどんな場所でも自分に与えられた使命を喜んで果たし、そして一緒に人生の旅路を歩んでいる人の幸せに進んで貢献するように成長することは、この聖園女学院が目指している教育目標です。保護者と手を組んで、この目標を達成するために聖園女学院の教員一同は今後も力を合わせてまいります。

聖園女学院中学校・高等学校 校長 ミカエル・カルマノ

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