卒業生メッセージ

聖園には、「他者のために貢献する精神」を活かして社会へ羽ばたいた卒業生がたくさんいます。聖園を巣立ち、巡り合った現在の仕事について、また6年間を過ごした聖園の魅力について、語っていただきました。
彼女たちの言葉から、聖園女学院が大切にしていることが見えてきます。

「信念・精励・温順」を
心の拠りどころとして

29回生(1980年卒) 根岸茂登美 さん
藤沢タクシー株式会社代表取締役、看護学博士、保健師
東海大学健康科学部卒業、国際医療福祉大学大学院修了

聖園を卒業して、40年以上の歳月が流れました。私は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の14年間を聖園で過ごしました。病気の祖母の看護がしたいと思い、高校卒業後、短大の看護学科へ進学しました。看護師として臨床で経験を積んだ後、看護学校の教員になりました。その後、大学の看護学部へ編入、大学院修士課程、博士課程へと進学し、看護学の研究に勤しんでまいりました。専門分野は老年看護と産業保健です。 途上、家業であるタクシー会社を継ぎました。旅客輸送の安全確保という観点から乗務員の健康の保持・増進は、重要な課題です。そこで、自分自身の経歴を活かし、産業保健師として社員の健康づくりや健康管理に力を注いでおります。現在も経営の傍ら、看護大学や看護学校で教鞭を執っています。 聖園の校訓である「信念・精励・温順」を心の拠りどころとして、大切にしています。進むべき道に迷う時、責務の重さに耐えかねる時、人間関係に悩む時、この校訓が一歩、また一歩と前を照らし、勇気を与えてくれます。困難に立ち向かう時、校訓が浮かびます。長い年月をかけて育んできた聖園の精神は、私の中に息づいています。自然豊かな学び舎で、キリストの愛に包まれ、シスターや先生方のお導きに支えられた日々は私の人生の宝です。

「内面の個性」を磨く貴重な環境

49回生(2000年卒業) H・Tさん
日本大学生物資源科学部 教員
日本大学生物資源科学部卒、同大大学院修了

聖園女学院中学校高等学校を卒業してから随分経ちました。振り返ってみれば、聖園女学院で過ごした6年間はとても貴重なものでした。10代という精神面で最も鍛え上げられ将来を考え始める時期に、生徒がお互いの個性を尊重し合う雰囲気の学院で学べたことはとても有意義だったと感じています。何事にも臆することなく自由な心持ちで過ごせる環境でしたが、他者に対する礼節や生活の指導もしっかりしていただきましたので、誰もが一目で気づく表面上の個性ではなく、内面の個性を磨く良い環境だったのではないかと思います。私は大学卒業後に大学院に進学し、現在は私立大学に教員として勤めています。普段は意識していませんが、この仕事に就く人は個性的な人が多いかもしれません。理科系の学部に勤めていますので、講義・実験・実習・研究活動と忙しい毎日ですが、各地から入学した多様な学生との活動は刺激的です。良くも悪くも情報量の多い昨今ですが、若い方には多様な考えに耳を傾けつつ自分の内なる個性を大切に過ごしていただきたいと考えています。

広く深い愛のもとで成長できる6年間

67回生(2018年卒業) N・Mさん
上智大学大学院 理工学研究科 理工学専攻 情報学領域(修士課程2年)

ごきげんよう。
大学院で「ITやテクノロジーを使って教育をより良くする」ことを目指して、教育工学の分野で研究をしています。将来はテクノロジーを使って世界や人が抱えている問題を解決できる人間になれるよう、日々勉強中です。
聖園での6年間は私に「一生懸命に取り組むこと」を教えてくれました。何事にも自分ができる最大限の努力をするということです。簡単なことに見えますが、案外難しいことのように感じます。ですが、聖園にはそれを支えてくれる先生、友人、環境がありました。困った時に親身になって相談に乗ってくれる先生、辛い時もお互いに支え合える友人がいます。日々の授業やお祈り、部活動、留学など様々なことに挑戦できる機会と学べる環境があります。このことは私にとって、とても貴重でした。聖園での生活の中で努力したたくさんの経験は、今でも自分の自信になっていますし、バネになってくれていると感じます。
卒業して5年が経った今、聖園で学んだ教えや数々の愛のある言葉をよく思い出します。そしてそれを支えに1日1日を大切にしながら生活しようと思えます。聖園での学びは私の心に刻まれており、聖園は自分にとって大切にすべきことを思い出させてくれる心の拠り所です。

変わらない居場所

71回生(2022年卒業) H・Hさん
慶應義塾大学 看護医療学部 在籍(2年)

今、私は大学で看護や助産、公衆衛生に関する専門的な内容や、コミュニケーション理論や心理学などの将来医療職として求められる教養を主に学んでいます。学びたかった国際看護の分野を学ぶことができ、充実した大学生活を送っています。将来は看護師の資格を活かし、国際的な課題となっている貧困や紛争に苦しんでいる人の役に立ちたいと考えています。
聖園で6年間過ごしたことは私の誇りです。一緒に笑って、辛いときには支え合える大切な友達や、相談や勉強の質問をすると、1聞いたことに10で返してくださるような先生方ばかりです。聖園には生徒思いの優しい先生方がたくさんいらっしゃいます。いつでも「私」という人間を見て、個性を大切にした丁寧なアドバイスをくださります。受験勉強で苦しんでいたときもそんな先生方に助けられ、様々な困難を乗り越えることができ、今私は希望の大学に進学できているのだと思います。何より聖園の友達や先生方のおかげで今の私があります。ですから、聖園とは帰りたくなる家のような場所です。聖園に行けば私を6年間育ててくれた先生方がいます。そして、聖園を離れてしまった先生方との時間も強く感じることができます。「おかえりなさい」という言葉を口に出さなくとも、そう言ってくれているかのような笑顔と言葉で迎えてくれる場所です。その安心感を想うととても心が温かくなります。

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