校長の声『祈り』
聖園女学院の一日の学校行事において祈りは大切な区切りとなっているが、校長室にある小物のイメージを使って、祈りの特徴について少しだけ説明してみたいと思う。
祈りは一人でもできるが、聖園女学院の祈りは皆と声を合わせて行う。そのとき、誰と一緒に祈るかは必ずしも自分で選ぶことはできない。表面だけを見れば、隣で祈ったりしている人は、自分と全く違う人に見える。同じ教室で一緒に勉強している仲間もそうである。
違いをもたらす一つの要因は祈る時にどこを見るかである。上を見て祈るか、目を閉じて祈るか。対象は天の御方なので、目を開けても見えないが、心を込めて祈ることが共通点である。その時自分の心を思い切って差し出しても、何も持たない手を組んでも、祈りの本質は変わらない。そして、蛙のように、恵みの雨を楽しめないかもしれないが、願うことはそれぞれ違っていても、天の御方は必ず調整してくださる。
ここで1つ注意しなければならないことがある。蛙とネズミは翼を持っていても、その祈りを自分で届けることはできない。心を開いて、自分がいる地面をしっかりと踏み込めば十分である。