芸術鑑賞教室
11月21日、芸術鑑賞教室を実施いたしました。
劇団マグネットワールドのみなさまをお招きし、講堂にて「地雷探知犬ニーナ」を観劇いたしました。
劇団の代表が、葉祥明の絵本『地雷ではなく花をください』に出会ったことで生まれた作品です。
冒頭、戦禍を再現するような激しい踊り
カンボジアを訪れることになった高校生が、戦地の現実に直面する
地雷探知犬たちによるコミカルな演技も
劇団マグネットワールドのみなさま、ありがとうございました!
〈生徒の感想より〉
・世界史の教科書の数ページに収められているその歴史や、美しい観光地としてのカンボジアにしか触れたことのない私は、戦争がカンボジアに残していった課題の大きさを痛感した。地雷は人を選ばず無差別的に爆発する残酷さに加え、戦争が終結しても自動的に消滅するものではないという厄介さも兼ね備えている。
現地研修で長崎を訪れて以来、戦争の結果として現在まで残っているのは、当事者の抱える精神的ダメージや、被害に遭った建造物が多いという印象をもっていた。しかし、カンボジアの場合はそれだけではなく、地雷が現在も現地の人々を物理的に苦しめている現実があることを知った。誰かがやらなければ永遠に終わらないこの問題に、命を懸けて活動するすべての人と探知犬に感謝しなければならない。(高校生)
・人間はどうしてこのような愚かなことをするのか、劇中ではそのことが頭から離れずイライラしてしまったが、劇の台詞にもあった通り、自分を含めて人を好きになることが平和への第一歩なのかもしれない。全てをうまく言葉で表しつくせないほど濃い時間だった。(高校生)
・彼らが住んでいる場所は、大切な家族が死んでしまってもその悲しみに浸る余裕がないほど、「今」を生きるのに精一杯なのが伝わってきて、とても悲しくなりました。(中学生)
・劇中で女の子が言ったように、「戦争が終わったんなら片付ければいいじゃん」。
もういっそ、この言葉を翻訳して世界各国のトップたちに送りつけようかな、などと考えてしまうくらいに愚かなものを開発してしまったのだなと改めて思います。私一人だけがどうがんばっても地雷はなくならないけれど、この物語を広めることはできます。いつの日か地雷が地球からなくなることを人類の目標として掲げ、議論を尽くしてほしいと思いました。(中学生)