静修の日 南山学園 市瀬英昭理事長 講話
9月1日、南山学園 市瀬英昭理事長に「日常を豊かに生きる」をテーマとして静修の日の講話をいただきました。
・「好きなように描いていいよ」と真っ白な紙を渡されて戸惑っていた幼稚園児が、枠を書いてもらったら安心して絵を描きはじめた。私たちの人生の時間も「限りがある」からこそ安心して大切に生きることができるのかもしれない。
・「知ることで人は優しくなる。背景を知ることで行動が変わる」という一方で、「勉強する、調べる、準備する」ことが現実を覆い隠してしまってはいけない。紅葉の名所を新緑のころに訪れた人が、友人に感想を聞かれて「紅葉が綺麗だった」と思わず口にしてしまった。
・以前ピーナッツバターを塗ったパンを食べようとしたら、実はマスタードを塗っていた。正直なところ、あのとき一瞬だけれどもピーナッツバターの味がしたような気持ちになった。思い込みは世界の見え方を変化させる。
など示唆に富むエピソードを多数ご紹介くださりながら、節目を迎える聖園生を励ましてくださいました。
◆中学生の感想より
・私も「優しい」ってなんだろうと考えたことがあります。誰かにとっての親切は、他の誰かにとって傷ついてしまう場合があります。そのときに全員がいい気持ちになる言い回しや行動を思いつくためには、やはり知識が必要なのだと感じました。
・「当たり前のように目の前にあるもののありがたみには気づかないけれど、何かが足りないときはそこばかりに注目してしまう」というお話に考えさせられました。
・「黙想は、日常から少し離れるための深呼吸である」という言葉が印象に残っています。時間、空間、人間の中で生きる私たちの時間は限られているからこそ、「豊か」に暮らせるように大切に過ごしていこうと思いました。
◆高校生の感想より
・「知ることで優しくなれる」という話を伺って共感しました。なぜ泣いているか、怒っているかという背景は見ただけではわからないけれど、その理由を知ることができれば、その人の心に寄り添うことができます。寄り添うことを大切にしてきた聖園での学びを糧として、誰かの役に立つことができる日が来るだろうと感じています。
・講話では日常生活のさまざまな例が紹介されており、学びは案外近いところにあるのではないかと感じました。いろいろなことに目を向けて生きる大切さを学びました。