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校長の声

校長の声『ミカエル』

 聖園女学院の管理棟の側にあるイエス像の足下には3匹のカエルが座っている。大天使ミカエルのような端整な姿ではないが、静かにイエスを見上げるである。

 言うまでもなく、カエルは必ずしも美・蛙(ミカエル)ではない。この前訪れた鎌倉の長谷寺で水の中にある3匹のカエルを見て、ローマの詩人、オウィディウスの変身物語にあるストーリーを思い出した。水を飲みに来た女神に意地悪した農民は、蛙に変身させられたが、「今でも彼らは、恥知らずにも、口汚い言い争いにその醜い舌を動かしている。水の下にいるというのに、水の下からなおも悪口を言おうとしているのだ。」(6章376行)

 高等学校の必修科目であったラテン語の授業でその原文を読んだ。"Quamvis sint sub aqua, sub aqua maledicere temptant."「水の下」という意味の"sub aqua, sub aqua"、(スバクア、スバクア)は、カエルの鳴き声を真似る言葉である。日本語では「ケロケロ」という表現になる。

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 考えてみると、人間社会にも似たようなことが起こりうる。同じ人間、同じ蛙に見えても、口を開ければ大分違う話が聞こえてくる。目に見える自分が端整な姿に変身する必要はないが、他人の願いに対して、美・蛙(ミカエル)に相応しい言葉で答えることは、人生の課題である。

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