進路特別講演 山崎直子 宇宙飛行士 「宇宙、人、夢をつなぐ」①
5月1日(木)の午後。 風、薫る中、聖園の丘に、
山崎直子宇宙飛行士をお招きしました。
進路特別講演「宇宙、人、夢をつなぐ」というテーマで、
山崎直子氏から、聖園生に勇気と希望を与えてくださいました。
(C) NASA
宇宙へ行くという大きな夢は、
いくつもの小さな夢を積み重ねて、育んだものです。
そして、宇宙での数々のミッションも、
いくつもの目の前にある小さな課題をコツコツ積み重ねて、
成し遂げられたものなのです。
大きな夢は、目の前にある課題の先にあるものです。
目の前にある課題を大切にできる人が夢に手が届きます。
(C) NASA
私の夢やミッションは、
家族や多くの同僚、たくさんの国や企業に支えられたものです。
夢は、すぐにかなうものではなくて、
多くの人の支えや多くの人の意志、自分自身の努力、
そして、
時間が必要なものなのです。
だからこそ、夢や目標というのは、あきらめない価値があるものなのです。
(C) NASA
宇宙空間でも、宇宙飛行士の訓練でも、世界でも、日本でも、日常でも
共通して大切なのは、 "Trainable" だと実感しています。
あきらめずに、素直に、常に自分を育んでいけること。
これは、才能とか性格ではなくて、
日々の考え方や練習、繰り返しで誰にでもできることです。
本当に大切なことや必要なことは、実は、なかなかゴールが見えず、
結果がいつ出るかわからないものが多いものです。
そのようなときに支えとなる言葉として、ニーバーの祈りを、私は大切にしました。
この言葉も、はじめて聞いた高校生の時は、
恥ずかしながら、なにも感じなかったのですが、
自分の見識や経験が増えていくにつれて、
涙がこぼれるほど、理解できるようになりました。
今、その時の理解、感情だけで判断するのではなく、
小さな積み重ねの一つとして、
日々の祈りや言葉、経験や知識を大切にしましょう。
必ず、後で、あなたの夢を広げ、あなたの夢を支えてくれます。
(C) NASA
宇宙飛行士になるための訓練でも、宇宙空間でも、
重要なのは、自律と協力とそれを続けようとする意志でした。
この学校の校訓「信念・精励・温順」は、
まさに、この自律と協力とそれを続けようとする意志につながるもので、
正直、驚きました。
また、宇宙では、限られた空間で、何週間も、何ヶ月も、生活します。
プライバシーがあまりないので、訓練していないと、人間関係に困ることがでます。
この学校では、6年間、ほぼ同じメンバーで過ごすと伺いました。
6年間も訓練して身についた、人間関係の構築力は、すごいと思います。
みなさんが卒業して身にまとうものは、
世界中どこにいっても、いや宇宙にいっても通用するものです。
宇宙も、夢も、異文化も、未来も、すべて " wonder " です。
この世界は、wonderに満ちあふれて ( ful ) います。
この " wonder " が " ful " な、この世界を、ぜひ、楽しんでください。
山崎直子さんのお話は、宇宙を題材に、
夢と向き合う人間の基本、夢を叶えた後の人間の基本を教えてくれました。
そして、今回の講演の終わりに、
聖園生たちは、山崎さんと素敵な時間を過ごすチャンスに恵まれます。
それは・・・。(詳細は次の聖園だよりに掲載します)
平成26年5月1日
進路指導部