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校長の声

校長の声『Recreation』

 「クリスマス」とは何か、という質問に対して「イエス・キリストの誕生日」は正解であるが、事実を並べる説明だけでは納得がいく答えにはならないであろう。何故かというと、クリスマスは世界中で色々な形で(時々キリスト教的背景が見えなくなるほど)祝われている祭りとなっているからである。どちらが本物のクリスマスであるかは多少気になるが、一言だけは言えると思う。クリスマスは時代、文化そして宗教の境界線を越える"Happy Birthday"の祝い、大勢の人が毎年ハッピーとなる誕生の祝いとなっているのである。したがって、花見と同様、イエスの誕生もお酒を飲む口実になってしまう可能性はあるが、このような(悪く言えば)単なる"recreation"、娯楽には一つの重要な側面がある。皆で楽しく祝っている祝日は多くの人と共有できる懐かしい思い出の源となる。一つの具体例として、昔のカルマノ家のクリスマスを紹介する。

 クリスマスツリーと一緒に居間で飾った馬小屋はお爺さん(母の父)がつくったものだが、下敷きには必ずカルマノ家のきょうだいが森で集めた苔を使っていた。つまり、毎年この馬小屋を自分が集めた苔でもう一度"re-create"再生(再創?)し、自分のものにすることは我々きょうだいにとって大事な思い出となっている。

 出来上がった馬小屋の外見は(例えば)Puerto RicoのSan Juan、南山大学のキャンパスや神言神学院のチャペルにあるものと比較できないほど違うが、決定的な違いはやはり毎年きょうだいと一緒に積み重ねた苔集めの特別な思い出である。南山学園の聖霊中高が毎年12月24日の夕方に名古屋の中心で実施しているクリスマスコンサート「Eve, My 青春!」、そして聖園女学院のクリスマスキャロルとタブローには同じような効果があるのではないかと私は思う。

 "Christmas"は"Get-mas"、神からの大きなプレゼントをゲットできたことから始まった、イエスの誕生を通して神は私達の世界をもう一度根本からre-createしてくださったプレゼント。しかも、最初の天地創造の時と違って、神が子供として生まれ、世界の内から働きかける"re-creationであった。「心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。」(マタイによる福音18章)人に説くことを自分でも実行する、模範を示してくださったイエス。その誕生を祝うクリスマスが今年も皆さんの良い思い出になることを祈っている。

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1枚目:カルマノ家の馬小屋

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2枚目:プエルトリコのサンフアンで見た馬小屋

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3枚目:南山大学のキャンパスに毎年飾ってある馬小屋

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4枚目:神言神学院のチャペルに飾ってある馬小屋

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5枚目:聖霊中学校高等学校のクリスマスコンサート(名古屋の栄)

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