MISONO's NEWS

校長の声

校長の声『お陰様で』

 2月14日はバレンタインデーという祝い日であるが、国によってその内容はかなり違う。(ウィキペディアで"Valentine's Day"を検索すればその多様性は見えてくる。)「義理チョコ」のような造語は日本型バレンタインデーの特徴を表しているが、今年の2月14日はカトリック教会の別な祝い日と重なっている。これはカーニバル・シーズンに終止符を打ち、チョコレート等のような甘い食べ物を控える、節制に勤める「四旬節」の始まりをマークする「灰の水曜日」である。モロゾフや明治の売り上げはあまり伸びないかもしれないが、お陰様で、今年は○○チョコの配りを辞めて、相手の霊的生活の向上に貢献するチャンスが廻ってくるのである。

 感謝の気持ちを表す「お陰様」の言葉は聖書にもある。「瞳のようにわたしを守り/あなたの翼の陰に隠してください。」(詩編17編8節)実に興味深いイメージである。私達を守っているのは爆弾攻撃に耐える地下壕ではなく、私達の周りを動き廻り、場合によってその翼に載せてくださる神である。(だからこそ神の御使いである天使には翼が必要である。)

 お陰様の元々の意味に近いもう一つの例は昔(フラッシュの代わりに)使っていた閃光粉(せんこうふん)である。キャンプファイアーに閃光粉を蒔いて写真を撮るときかなり眩しくなるので、カメラとキャンプファイアーの間にギターを弾く一人が立ってもらった。お陰様でいい写真が出来てのではないか、と私は思う。(海岸で砂に残っている足跡の向こうに見える日没の斜陽のまぶしさにはまた別な魅力があるが。)考えてみれば、我々と同じような人間になってくださったことは神の特別な配慮に違いない。目に見えない大きな光の前にイエスの姿があるからこそ、お陰様で人生にとって大切なことがはっきりと見えてくる。(例えば義理チョコではなく、普通の食べ物を必要とする人。)

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1枚目:ボーイスカウトのキャンプファイアー (1964年)

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2枚目:藤沢の海岸 (2017年)

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3枚目:カリタスジャパンの「四旬節 愛の募金」ポスター (毎年)

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