MISONO's NEWS

校長の声

校長の声『可愛い子には旅をさせよ』

 最近、ある航空会社から次のような電子メールの広告が届いた。

"Let the world change you"

「世界を見て 自分を変えませんか」

 いくつかの景色が美しい観光地は紹介されたが、言うまでも無く歩いて行ける距離の所ではなかった。

 自分の海外出張の経験を振り返って、多少疑問を感じた。より多くのお客さんに航空券を買ってもらう狙いはあまり問題にはならないが"世界を見て自分の何が変わるのであろうか"と。

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 テーマパークを連想させる、ある大学のキャンパスを訪れてや、可愛い動物との出会いがあっても、写真を撮ることだけで終わるのではないか。

 聖園女学院の留学企画に参加して帰ってくる聖園生であれば、彼女たちの言動には確かに変化が見られる。自分が慣れた環境と大分(全く?)違う所での経験は、自分自身、そして世界を別な観点から理解できることに繋がる。

 しかし、これで可愛い子の旅は終わってはいけないと私は思う。自分が見ている世界を変えてみるという、次のステップに踏み出すことこそ、このような経験の本来の目的である。演劇の演出家であるAugusto Boalはこれを簡潔にまとめている:"We are all actors: being a citizen is not living in society, it is changing it."社会に生きている私達は単なる芝居をする"actor"役者ではなく、社会を変えるために"act"行動を起こす"actor"である。

 アジア地区カトリック大学の会議の送別会に優雅な着物の姿で登場した学生は、前の日の発表の時に同じ主張しているように見えた。写真と同様、意思表示は多少ぼけていたかもしれないが、メッセージははっきりしていた。

"Youth Can Make a Difference"

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 考えてみれば、国際会議に参加しなくても出来ることは沢山ある。聖園女学院の豊かな自然環境を可愛い花で飾る美化委員会の生徒は良い具体例である。

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