校長の声『宿屋には彼らの泊まる場所がなかった...』 - 聖園だより|聖園女学院中学校・高等学校

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校長の声『宿屋には彼らの泊まる場所がなかった...』

 台風19号の時のことである。藤沢市から警戒レベル4の避難勧告が発令され、ご自宅が安全に泊まれる場所ではなくなった210名の方(そして犬4匹)は聖園女学院のマリアホールで一晩を過ごした。聖園女学院は藤沢市指定の避難場所なので、地域の住民が泊まる場所を見つけるのはそれほど難しいことではなかったが、おおよそ2000年前、宿屋には泊まる場所がなかったので、イエスが生まれた馬小屋は避難所となっていたのである。

 日本の年間行事にも定着したクリスマスの祝いは確かにお偉い方の誕生に相応しいイベントとなっている。しかし、平和な世界の象徴となっている可愛い幼子と天使、心に響くキャロル、美味しいケーキ、綺麗なイルミネーション、そして子供にあげるプレゼントは最初のクリスマスの現実とはかなりかけ離れている。予約しなかった客を断ることぐらいであればまだ理解できるが、ひょっとすると宿屋の主人は「これは問題になりそうなお客さんかな」という印象を受けて「場所がない」と嘘をついていたかもしれない。

 どちらにしても、結果としてイエスは馬小屋で生まれたが、その現場のイメージとなっている「馬小屋」になると、また大きな違いが見えてくる。幼子イエスから羊飼いたちまで、皆宮殿に相応しい、立派な服装をまとっている馬小屋もあれば、紙から出来た小さな立像が段ボール箱の中に置かれている、対照的なものもある。

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 裕福な社会なのに路上生活を続けざるを得ない人がいるという状況を考えれば、段ボール箱の馬小屋は当時の現実に近いであろうが、やはり疑問は残る。宿屋を断られた時に神の子は何故もっと相応しい対策を取らなかったのか。例えば(水戸黄門シリーズの最後の場面のように)自分の実態を明かす。「この紋所が目に入らぬか!」と。

 イエスが亡くなられたゴルゴタの丘の十字架も神の子に相応しいと言える場所ではなかったと言いたくなるが、この十字架こそイエスが世界の人々に示した紋所となっている。

 聖園女学院は今年、段ボールから出来た馬小屋を用意して、(路上生活者の段ボール箱と犯罪人の十字架との間を)我々人間と一緒に歩んでくださった神の子を歓迎する準備に取りかかっている。

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