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校長の声

校長の声『"Lucky"と"Happy"』

K34-1.png 南山学園の創立者であるライネルス師を意識して選んだ名称ではないと思うが、藤沢市の学校花だんコンクール①で表彰された聖園女学院の庭は「クライネス・グルーク」"Kleines Glück"と名付けられた。標識には「ドイツ語で、小さな幸せという意味です。」という、丁寧な解釈が記されている。

 ドイツ語を母語とする私なので、"Kleines Glück"の翻訳で相談を受けて「小さな幸せ」になったが、時間が経つにつれて多少違和感を覚えるようになった。何故かというと、"Glück"と言う名詞は「幸せ」と一緒に「幸運」という意味にもなっているからである。

 初詣の時に買ったおみくじが「大吉」であれば、これは幸運、「ラッキー」に違いないし、その時「ハッピー」、幸せな気分になるのは人間らしい反応であろうが、このような幸運を幸せの要因と見なせば、幸せの範囲はかなり狭くなる危険があるように思われる。

 クライネス・グルークが藤沢市に注目されたことは嬉しいが、「入り口は、こちらからです→」という、幸せへの道案内として表彰されたことは不十分であろう。本当の幸せは(例えば)庭の維持にかけ続けてきた努力の中で見つけるものであって、「このような努力から生まれた幸せには必ずいろいろな形の幸運がついてくる。」と私は思う。

 「小さなことでもいいから、今年もこのような幸せと幸運を多くの人と分かち合うことができれば」と私は祈っている。

①聖園女学院中学校・高等学校ホームページ 聖園だより『学校花だんコンクール 表彰式』

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