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校長の声

校長の声『地の塩、世の光』

 聖園生が朝礼の時に歌う聖歌の1フレーズ、「地の塩、世の光」の元はイエスの有名な言葉である。

 「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。」(マタイによる福音書5章13節~15節)

 味付けと保存に使われているもの、夜の暮らしを明るくするものとして塩と光は、日常生活に欠かせないが必ずしも都合良く使える道具ではない。調味料には減塩のものが多くあるし、そして対向車のヘッドライトは眩しくて先が見えなくなることもある。これを考えれば、地の塩・世の光と名付けられた弟子達に、イエスが与えた役割は人々の日常生活を楽にすることに限られているわけではない。血圧をあげる塩なので、自分の弱いところ、足りないところに気づくように促している。そして誰も見たくない、認めたくないところに光を当てることによって、自分と世界がおかれている現実をもっと真剣に受け止め、その改善に力を入れることが求められている。

 塩と光は日常生活に欠かせないものの具体例であると同時に、人間社会に価値があるものとは何かについて考えさせ、人の使命を表す象徴でもある。この使命を果たす時に、場合によって、「ありがたい迷惑」にならなければならない覚悟も必要かもしれないが。

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追想 汐の上に見える太陽、雲の間から差し込む日蝕の光は人生の味付けにもなるのかな。

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