校長の声『Do No Harm』 - 聖園だより|聖園女学院中学校・高等学校

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校長の声『Do No Harm』

 前回の『校長の声』でアダムとエバが楽園から追放されたことは話題に上がっていたが、この事件の発端は(禁断の果実を食べるように)エバを誘惑した蛇のいたずらである。その結果、「このようなことをしたお前はあらゆる家畜、あらゆる野の獣の中で最も呪われる。お前は這いずり回り、生涯にわたって塵を食べることになる。」(創世記3章14節)と、神に罰せられた蛇は、病や死をもたらす悪者のシンボルとなってしまったが、WHO、世界保健機関のロゴマークを見ると、蛇は人々の健康維持に貢献する医療のシンボルともなっていることが分かる。杖に巻き付いている蛇は元々ギリシア神話に登場する名医であるアスクレピオスという神の象徴である。

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 医者の倫理を表す「ヒポクラテスの誓い」には"Do No Harm"、「害を与えてはならない」という言葉が含まれているが、考えてみれば、これは医者に限ることではない。自分の言動が他の人に悪影響を与えないように勤めることは同じ空間で生活している人間の共通課題である。

 エバのように「蛇がだましたのです。それで私は食べたのです。」(同上13節)と、蛇を悪者としようとすることは責任逃れである。(この観点から見れば「雌鶏歌えば家滅ぶ」ということわざもかなり怪しい。)コロナウイルスの感染拡大を人のセイにしないで、毎朝"Do No Harm"と自分に言い聞かせて、マスクを着用することは、しばらくの間、新しい生活様式に欠かせないことであろう。

K40-2.png 蛇足にはなるが、ドイツの実家の近くにはSchlangenbad(シュランゲンバート=「蛇泉」)という町がある。治療に有効な温泉で知られているこの町のロゴマークはドイツでここしか生存しないクスシヘビであるが、この蛇は上記のギリシア神話の神、アスクレピオスのシンボルである。バイパスの道路には昔から蛇のイラストに"ungiftige kreuzen"と書いてあるサインがある:「毒蛇でない蛇の横断注意」、と。私は何回もそこを通ったが、未だに蛇が横断するのを見たことはない。

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