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校長の声

校長の声『イマヌエル』

 毎年10月の第2土曜日、南山大学のキャンパスで野外宗教劇『受難』が上演される。(今年予定された第54回上演はコロナウイルスのため中止となった。)脚本と演出を担当する学生は色々工夫して、毎回多少の変化を加えるが、昔から変わらない場面がある。その一つは十字架の下で倒れそうになっているイエスに女性達が近寄る場面である。自己防衛を考えないで、苦しんでいるイエスと一緒にいることが目的である。この優しい心遣いを強引に終わらせるのは彼女達を追い払う兵隊である。

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 イエスの受難と復活は救いを求めている人類に対する神の愛を示している、と聖書は教えている。この愛の実践の第一歩を祝う記念日はクリスマス、主の降誕である。「イマヌエル 私達と共にいてくださる神」と呼ばれている全能の神が選んだのは、苦しんでいる人と一緒に歩むことであった。しかも、人間と同様、先ず無防備な幼子の姿で。

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 クリスマスは、神が我々人間と一緒に歩んでくださる道の出発点である。しかし、一緒に同じ道を歩んでくださる神は、その途中でまた予想外の姿で現れるかもしれないという覚悟は必要である。可愛い幼子にもなれば、場合によってひどく傷つけられて苦しんでいる人の姿にもなるかもしれない。

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