MISONO's NEWS

校長の声

校長の声『一期一会』

 聖園女学院は「新しい自分に出会う学校」。これは入試説明会で聖園女学院の良さを紹介する時に使う言葉である。換言すれば、自己理解に必要な出会いの場を提供することは聖園女学院の教育方針である。

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 このような出会いの特徴のイメージとして使っているのは蛙とペンギンの仲良しである。自分と全く違う相手だからこそ、自分にしかない特徴と、全く違う存在のように見える相手との共通点も見えてくる。

 しかし、このような出会いは必ずしも順調に動いているわけではない。ペンギンと蛙はたまに隣に座って、礼儀正しく対話を始めたことは、互いを尊重し合うきっかけとなったが、出会いはいつもこのような平穏なことではない。聖園女学院の自然豊かなキャンパスにはリスも生活しているが、その出会いは毎回同じ形になる。写真を撮ろうとしても、リスは私を見たら逃げるであろう。

 しかし、リスとの出会いは必ずしもこのような形にならない。リスは逃げないで、ちょっとした立ち話になる出会いもある。座ったままで「このどんぐりは本当に美味しい。食べてみないか」と言っているような時もあれば、立ち上がって「何かお手伝いできるのか」と親切に話しかけているような印象を与える場合もある。

 人間同士の関わりの中でも似たような場面はある。怖いと思って逃げてしまうことこそ今まで知らなかった自分の特徴に気づくきっかけ、そして、相手に逃げられたとき、「どうして私を見て怖くなって逃げてしまうのか」と考えさせるきっかけにはなりうる。

 生徒の自己理解を育てるために欠かせない出会いの場は聖園女学院の普段の学校生活である。コロナの「黙食」は緩和され、昼食の時に食べ物について話し合ったこと、或いは困っているのではないかと話しかけたことは、よく知っているつもりの友達と自分との新しい出会いになりうる毎日である。

 蛇足だが、この出会いは大凡怖いものではないが......

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