校長の声『上を向いて歩こう』
新学年を迎えて、NHK首都圏(*1)の組で「ててて ててて とまって!」という歌は何回も登場した。幼い子どもたちに「安全に横断歩道を渡る方法を伝えたい」との思いから作った交通安全ソング(*2)である。横断歩道に立っている小学生が手を上げれば自動車等は止まる、という社会的常識を子どもと運転する人に再確認するように呼びかける歌である。
大切なことを注目して欲しいと思うときに控え目の言動は物足りない。キリスト教の教えを目に見える形で伝える像は必ずしも控え目なものではないが、見慣れた風景となっているから注目されるのは彫刻家が加えた特色かもしれない。幼子イエスを優しく腕に抱える聖母マリアの像が伝える親子の平和、そして十字架にかけられているイエスの苦しみのイメージの工夫こそ、見ている人の心に伝わり、作品を評価するポイントとなる。
ところで、このようなイメージから外れてしまう像もある。「私ではなくて、この子を見なさい」と、幼子イエスを持ち上げる聖母マリア、そして「この十字架はあなたのチャレンジになるかもしれない」と、十字架を持ち上げるイエスは訴えているように見える。
目を上げて大事なことに気づくのは有意義な人生に欠かせない。その現代版は香港の空港で見たポスターである。"Don't look only at your mobile phone."。スマホから目を離して、上を向いてく聖母マリアとイエスが示そうとしていることに気づくことが出来るように歩こう!
(*1) https://www.nhk.or.jp/shutoken/tetete/
(*2) https://www.youtube.com/watch?v=wJG7Byz-YCI