MISONO's NEWS

校長の声

校長の声『野ばら』

 "Sah ein Knab' ein Röslein stehn" - 「少年が見つけた小さな野バラ」。シューベルトのこの有名な曲が頭に浮かんできたきっかけは、来校したお客様と一緒に久しぶりに保健室の裏にある花壇を見に行った時であった。年齢の差もあり、『野バラ』の少年と違ってバラを見るだけにして、写真を撮った。この写真を見て一つのことに気付いた。バラの後ろにはぼんやりと、講堂の外壁にある十字架が見えた。

 生きている間に色々な場面に出会うが、その時に何に注目するかによって大分違う印象になる。バラの花か、十字架か、どちらを注目するかによって見る人には違う記憶になるのである。

 要するに、バラか十字架か、どちらを選ぶかということではなく、バラに近寄って行く時、花の香りを匂ってみるか、その枝にあるトゲに触れるか。そして十字架を見る時、その残酷な死か、全ての人にイエスがくださった恵を注目するかである。

 バラにも、十字架にもいろんな側面があり、二者択一の問題ではないと私は思う。自分の見方で世の中は変わる。

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