校長の声『 Numbers 』
「苦手な教科は?」という質問に対して、「数学!」と答える聖園生が多い。言うまでもなく、これは聖園生だけのことではない。数学が好きな生徒は世界中で少数派となっていると言っても過言ではないであろう。「数学に自信がないと思っているのはあなただけではない。」という励ましの言葉の後に、「将来計画を実現するために数学も欠かせない。」と指導することは、教科を超えて、先生に課せられた役割である。
ところで、生活を支える技能として必要な数学にもやはり限界がある。それを指摘しているのは英語のある諺である。
"Not everything that can be counted counts and not everything that counts can be counted."
英語が苦手な人のためにこの面白い言葉遊びの日本語訳を付け加える。
「計算に入れられるものすべてが重要であるわけではなく、重要なものがすべて計算に入れられるとは限らない。」
きちんと計算できた結果は全てではない。1つの具体例は今年度の球技大会の親善試合の結果である。「11」と「10」の数値を見る限り、勝ち負けははっきりしている。(どちらが勝ったか敢えて言わないことにしている。)スタッフが各種目の競技と同じように、最後のバレーボールの勝敗を発表した。議論する余地のない数値ではあるが、球技大会の目的は勝ち負けの数値だけでは見えてこない。勝ち負けの記録よりも、簡単に計算できない、聖園女学院内の絆が深まることこそ年間行事の球技大会の目的である。
念のために、試合に勝った時に大きな声を出して喜ぶことは決して悪いことではない。