高校1年生 哲学対話講座「MISONOてつがくサークル」
10月31日、南山大学副学長 人文学部 奥田太郎 教授のご指導のもと、高校1年生がクラスごとに哲学対話講座を行いました。
まずはクラス全体で輪になって着席。
なじみのない「哲学」という学問に対して少々身構えていた高1生でしたが、「哲学とは、あたりまえとされていることを『本当なの?』と考え直す学問です」「人間として生まれると、誰もが哲学をしてしまっているのです」と奥田先生から伺って、緊張がほぐれていきました。
~ウォーミングアップ〈質問ゲーム〉~
哲学は、「問い」を大切にする学問です。
小さなグループに分かれて、ウォーミングアップとしてお互いに「問い」を重ねる練習をしました。
~哲学対話のルール~
問いを大切にする感覚をつかんだ生徒たちが、小さな輪になって着席します。
①他の人の声を聴く
②自分の声で話す
③オチはなくていい(良いことを言おうとしなくていい)
④さえぎらない
本格的な活動に入る前に、「哲学対話」で大切な4つのルールを奥田先生が教えてくださいました。
~哲学対話「進路」~
いよいよ「哲学対話」のスタートです!
奥田先生から「進路」というテーマが発表されると、生徒の顔に少し緊張感が走ります。
「沈黙は『考えている時間』。沈黙を埋めようとしなくてもいい」という奥田先生のご助言に会場の雰囲気も和らぎ、少しの "沈黙" のあとには発言の手が次々と挙がっていきました。
次年度の選択科目決定の期日が近づく中、自分自身の「これから」と改めて向き合った高1生。「進路」について考えるうちに、「努力」「勉強」「夢」などさまざまな対話が広がっていきました。
日常をともに過ごすクラスメイトが進路や将来について何を感じ、考えているのか。
自分たちの「声」で語り合い、聞き合って、思考を深め合うことができた貴重な90分間でした。
◆生徒の感想より◆
・「哲学対話」と聞いてとても難しそうだなと感じていたが、始まってみると自分がいつも行っている思考の「相手がいるバージョン」で、とても楽しかった。
・「問い」というものは「正解」があるからこそ存在するものだと思っていましたが、一人ひとり違う答えが出てきてもよいものが哲学なのだと学びました。
・「進路」という元々のトピックから職業、学校、夢、勉強、道徳・・・と話題が広がり、改めて進路とはどのようなものだろうと考えることができました。
・自分の中の考えでなかなか言葉にできない部分を、他の人が上手に言語化しているのを聞いて、「そう!それが言いたかった!」などと思うことが多くあり、みんなでやるからこその力を感じてとても楽しかったです。
・哲学対話では最後まで聴くことがルールなので、聴く方も話す方も気持ちよく話せる・聴けるなと思いました。結論がないのは少しモヤモヤしたけれど、人の数だけ意見があるので、それを吸収して自分の考えを見直したり付け加えたりして、考え方を増やしていけたらと思いました。
・上手にオチをつけなくてもいい、ひとつの結論にたどり着けなくてもいい、と考えると少し心が楽になり、たどたどしくも少しずつ自分の声を出すことができました。この講座きりでなく、哲学の対話をもっとさまざまな場面でしてみたいです。お弁当の時間などに、友達ともっとたくさんの「声」を交わせたら・・・と考えています。