中学3年生 南山大学模擬授業
10月31日、中学3年生が小・中・高大連携事業の一環として行われた南山大学模擬授業に参加しました。
南山大学 法務研究科 實原隆志(じつはらたかし)教授に「人権 ――個人の尊重と人間の尊厳」と題してお話しいただきました。多くの中学3年生にとって、初めて体験する大学の授業です。
教授ご自身が関わった数々の事件を追いながら授業は進み、
「原告は数名ですが、周りに応援団がたくさんいることを覚えておいてください」
「真面目な言論はもちろん、不真面目な言論にも価値があります。不真面目な言論活動は、弱い側にこそ必要です」
「周りのみんなが違うことを主張していると、自分が間違っているのかもしれないと不安になります。法という視点をもって、『今までが間違っていた』ことを示すのも、重要な役割です」
など、力強い言葉が投げかけられます。
高校進学を控える中学3年生に向けて、「自分のことを自分で知っていく」「自分の関心を追い、広げていく」というメッセージもいただきました。實原教授ご自身も、中学生のころの理不尽な経験が法学を志す原点となったそうです。
大学や大学院では、学生の「助言」が必要になる場面も多いといいます。
「今あるものを知るだけでなく、問題解決の戦術を共に考えていくのが大学の役割です。生徒と学生の違いはそこにあります」という言葉を、生徒は真剣に受けとめていました。
實原教授、貴重なお話をありがとうございました。
◆生徒の感想より◆
・裁判に私情を持ち込むのはダメと聞いたことがあるのですが、法を学びはじめる理由に「怒りを感じた人」とあるのを知って、感情的になる部分とならない部分の違いが気になりました。
・個人と個人の問題は憲法上の人権問題ではないことを知り、そういった問題に巻き込まれないためにも自分の考えをしっかり持つ必要があると思いました。
・「過激な表現をするメディアこそ立場の弱い人には必要で、そのようなメディアからインタビューを受けることができて光栄だった」と仰っていたのが一番印象に残りました。今までは中立的なイメージの情報しか調べていなかったので、視点が大きく変わりました。