校長の声『 Welcome back 』
南山大学同窓会は、毎年11月3日に開催されるホームカミングデーの案内を卒業生に送る。同じ時期には大学祭があって、母校に戻る良い機会となっている。昨年60周年を迎えた山里キャンパス(*)は色々変わったが、卒業生にとって懐かしい思い出が溢れている場であるに違いない。
南山大学の卒業生である私には、その他にも懐かしいところが沢山ある。休暇でドイツに帰るときには必ず生まれた町に帰って、いつも同じ風景の写真を撮る。変わっているところがあっても、自分が覚えている町はまだ残っている。
考えてみれば、このような懐かしさは全て私の心の中にあり、川の向こうでそびえる大聖堂は私を見て嬉しくなり、"willkommen zurück"!、「お帰りなさい!」と声を上げているわけではない。同じように、ホームカミングデーで"Welcome back!"と歓迎するのはキャンパスと建物ではなく、同窓生である。出張から家に帰ってくる人を最初に歓迎する愛犬も似ているではないか。
聖園生に「何か質問ありますか」と聞く時、「先生は聖園女学院で一番好きな場所はどこですか?」という質問が多い。その時にはいつも「人が一緒にいればどこでもいい」と答えている。
互いに快く歓迎することは良い人間関係に欠かせない。この点では、愛犬から学ぶこともあるかもしれない。