校長の声『 See the Lilies of the Field 』
カトリック教会の典礼聖歌集には「ごらんよ空の鳥、野の白百合を」という聖歌がある。イエスの有名な言葉(マタイ福音書6章26節~29節)を(昨年の10月帰天された)新垣壬敏が作曲した聖歌である。
祈りの深みを奇麗なメロディーで感じさせる聖歌ではあるが、大分前から気になったことはある。イエスは数多くの花から百合を選んだのに、何故鳥を指定しないのか、と。同じ話を伝えているルカ福音書(12章24節~27節)によると、イエスは鳥としてカラスを選んだが、うるさいカラスの代わりに可愛いシジュウカラにしたほうが聖園の環境にもっと相応しいのではないか、と感じる。
言うまでもなく、イエスの選びに対して人間は自分の好みに合う物を注文できるわけではない。イエスの百合には聖園のばら組とすみれ組も含まれている。しかも、ばら・ゆり・すみれで止まらないで、私達が信頼できる神の力の優しさを思い起こさせてくださるのは、アパートの駐車場と、聖園女学院のKleines Glückで咲いている花、そして校長室の外で咲いている藤の花である。