高校1年生 哲学対話講座「MISONOてつがくサークル」
10月29日、南山大学副学長 人文学部 奥田太郎教授のご指導のもと、高校1年生(78回生)がクラスごとに哲学対話を行いました。
奥田教授は講座のはじめに「哲学対話」のルールをご紹介くださいました。
・他の人の声を聴く
・自分の声で話す
・結論を先延ばす
・話は最後まで聴く
という4つのポイントを意識することで、普段の話し合いやディベートとは違う「哲学対話」の場が生まれるとのことでした。

会場のサブアリーナで輪になった78回生に伝えられた本日の対話テーマは「人生」。
テーマは当日のお楽しみになっており、壮大にも思われる単語に驚きの声があがります。

「よい人生とはどんな人生?」「もしも過去に戻れるなら、いつに戻りたい?」「自分で選ぶ不確かな道と、親が示す確かな道があったら、どちらを歩みたい?」などテーマに対する手がかりの問いを奥田教授からいただき、90分間の対話がはじまりました。多数派・少数派に分かれたり、優劣を決めたりすることが目的ではなく、「対話の前後で自分に変化があるか」を感じることが大切とのことです。
「両親がどのような価値観で生きてきたのか知りたいです。母は祖母とどのような関係だったのだろう、などとも思います」
「そもそも自分は、なぜここにいるんだろう。なんで地球に人間がいるのか。考えたらきりがないけれど、気になります。宗教や文化に触れると、深く考えてしまいます」
「死んだあと、どれだけの人に自分の記憶が残っているのかなと思います。人間はひとりで生きているわけではないから、『誰からも思い出されない人』というのは寂しいのでは?とも思います。でも、きっと『誰からも思い出されたくない人』もいますよね......」
「本物の愛を見つけたら、『よい人生』なのだと思います。私は今まで出会ってきた人に愛されているなと思うけれど、まだまだ自分の方から愛せていないな、とも感じます」
最初は周りの様子をうかがっていた生徒も、同級生の声にじっくりと耳を傾けるうちに自分自身の思いを語っていました。

「てつがく」を体験するきっかけをくださった奥田教授、ありがとうございました!

◆生徒の感想より◆
・誰かに感謝されたり、自分が感じていた壁を越えることができたり。私が幸せを感じるのは、このようなことが起こったときです。死ぬ前に「幸せだった」と感じることも「よい人生」のひとつだと思いますが、私は幸せを感じたときこそが「よい人生」なのではないかと思います。それは、たとえ一瞬だとしても、その一瞬の出来事が自分のこれからの人生を支えてくれるものになると思うからです。
・「運命」という言葉だけで片付けない人生を歩めるような大人になって、自分から他人に何かを与えられることができたら、それはとても素晴らしい人生だと心から思いました。
・「過去に戻れるなら、いつに戻りたい?」というテーマがいちばん印象に残りました。私自身は、「失敗や成功、関わってきた人たちがいるから今の自分がある」と思っています。その経験を手放したくないという点と、「いつでも戻れる」と思っていては、日々を大切に生きていけないのではないかという点から「絶対に戻りたくない」と考えていましたが、「後悔している時点に戻ってやり直したい」と言っていた人が多く、とても驚きました。このように物事を深く考える機会はあまりないので、今回の機会をいただけて良かったです。
・私は「小学生に戻りたい」と考えていたのですが、「もし、今の自分が『過去の記憶が残っていない状態で戻ってきた自分』だったら?」と先生が仰ったのを伺って、考えが変わりました。視点次第でこんなにも意見が変わるのは面白いなと思いました。先生は、すぐに結論にもっていこうとする私とはまた違う考え方をもっていそうです。
・これからの人生で、何歳になっても「考える」という行動をすると思います。存在している人の分だけ考え方があると思うので、これからもいろいろな考え方に出会いたいと思える講座でした。
・沈黙が流れる時間に、あえて質問せずに考えるということも試してみました。発言している人の思想に自分の考えを乗せ、「ここが引っかかる。なぜそう考えるのか」とか、「ここに共感できるのはなぜ?」とか、よく頭を使い、言葉にすることが難しい部分もあったけれど、想像をふくらませることができました。この時間で考えたことや哲学の方法を思い出し、実践しながらこれからの私を彩っていきたいです。